東京農業大学「食と農」の博物館(世田谷区上用賀2)で1月31日、同大「きのこ研究部会」によるワークショップ「きのこがつくる新たな食の世界~機能性食品から代替食品まで~」が行われた。一般参加者も含め約40人が集まった。
当日は、ユキグニファクトリー研究開発本部長の加藤真晴さん、平林産業社長の平林京子さんと長野県農村工業研究所技術専門役の竹内正彦さん、同大醸造科学科微生物工学研究室準教授の本間裕人(ひろと)さんの4人が講演し、その後に料理研究家の木田マリさんの解説付きで試食会が行われた。
「健康にプラスが多い『キノコのお肉』の開発」と題した加藤さんの講演では将来的な食糧不足を背景として高まるであろう代替肉のニーズに対し、既に同社が市販している「キノコのお肉」を題材に、きのこの自給率の高さや天候面や価格面での供給の安定性といった開発に至った理由や開発中のストーリーなどを話した。
「GABA富化エノキタケチーズペーストの開発について」と題した平林さん・竹内さんの講演では、平林産業・JA中野市・長野県農村工業研究所が共同で開発を進めているエノキタケを利用した加工食品について、製造者・開発者それぞれの立場から話した。
本間さんは「きのこ類を用いた代替魚介類、ホタテ刺身様食品の開発について」と題し、エリンギを使った代替食品の開発について講演。『エリンギのホタテと比べて硬すぎる食感をいかにして軟化させるか』という初期の課題に対して、「凍結含浸法」「真空処理法」などを使いながら一歩一歩研究を進めていく様を語った。
「日本きのこ学会」代議員や「日本きのこマイスター協会」講師も務める木田さんは、これまでに説明された「キノコのお肉」と「GABA富化エノキタケチーズペースト」を使った「お肉不使用のきのこのドライカレー」と「きのこのケーク・サレ」を用意し、参加者は木田さんの解説を聞きながら試食。参加者からは「『おいしい』と言う言葉を使わずに感想を求められても、つい『おいしい』と言ってしまう」という声が複数聞かれた。