缶詰博士としてテレビ番組や講演会に出演するタレントの黒川勇人さんが明治屋(中央区)と共催するバレンタインイベントが2月10日、経堂駅北口の「さばのゆ」(世田谷区経堂2)で行われた。
同社はオリジナル商品「おいしい缶詰」をバレンタインに贈るキャンペーンを6年前から行っており、義理チョコならぬ「義理カン」のネーミングで、系列の明治屋ストアーでの缶詰購入客に「義理カンカード」を進呈するサービスを進めてきた。カードの裏には「でも、缶違いしないでネ!」のユーモラスな文字が添えられている。
黒川さんは「実は義理カンのアイデアは経堂在住のクリエーターが発案したもの。ゆかりの地ということでイベントが恒例となり、毎年、義理カンが話題になる商店街の飲食店もある」と、イベント開催の経緯を語る。
今年は缶詰業界での広がりが生まれ、マルハニチロ(江東区)、ホテイフーズコーポレーション(静岡市)、極洋(千代田区)、木の屋石巻水産(宮城県石巻市)、高木商店(茨城県神栖市)、トーヨーフーズ(千代田区)の6社も義理カンの輪に加わった。
明治屋の担当者・荒谷延孝さんは「義理カンは、甘いものよりもお酒が好きという男性に好評。友チョコ的に贈り、お酒の好きな女性に喜ばれているとも聞く。イベントでは、缶詰とお酒のマリアージュを楽しむ一般の女性客と話をして、直接、ユーザーの嗜好(しこう)を確認することができて良かった。缶詰は賞味期限も長いため、自宅での女子会や晩酌で重宝されていると感じた」と話す。
料理は「プレミアムほぐしコンビーフ」(明治屋)などを使ったタルタルステーキ風や各社の缶詰30種類、防災食「安心米」(アルファー食品)を使った手巻きずしがビッフェスタイルで提供された。
黒川さんは「各メーカーが横のつながりを作って一緒にイベントをすることで缶詰業界に新しいダイナミズムが生まれるかもしれない。缶詰の容器を作る北海製罐、大和製罐の担当者も参加したのもいい刺激になった」とイベントを振り返る。
イベントで使われなかった缶詰は近隣のこども食堂に寄付された。