経堂西通りの醸造施設併設のビアバー「後藤醸造」(世田谷区経堂2、TEL 03-6751-0698)が店内での飲食営業を休止して、ビール、サンドイッチなどの店頭テークアウト販売を始めて1カ月がたった。
後藤さんが曽祖父から受け継いだレシピで作った「GOTOHオムレツのサンドイッチ」
経堂の東京農業大学(桜丘1)を卒業した後藤健朗さん、ゆきこさん夫婦が2016(平成28)年に開いた同店は、醸造場併設の立ち飲みビアバー。自家醸造のたる生と全国から仕入れたクラフトビールを1杯500円から提供。全国各地の農産品とのコラボも行い、これまで高知県のショウガを使った『ジンジャーエール』などを作ってきたが、新型コロナウイルスの影響は経営に深刻な影響を与えている。
後藤さんは「さまざまなリスクを考え3月28日から店内営業を休止。しかし、うちのビールを自宅で飲みたいというお客さまの声を聞き、ビールと、ビールに合うサンドイッチを中心としたフードの持ち帰り専門店として頑張ることにした。正直、家賃や機材費の負担は重いが、できることは何でもする」と経緯を話す。
同店に通う40代の男性会社員は「自家醸造や全国のクラフトビールが500円からいろいろ飲めて、スタンディングだが、フードの種類が多く味が良いので、頻繁に通っても飽きない店。これからビールがよりうまい季節になるので、早く元のように飲みたいが、それまではテークアウトを買って飲んで食べて応援したい」と話す。
サンドイッチメニューは作りたての具をラージサイズのホットドッグ用パンに挟む。「GOTOHオムレツのサンドイッチ」は浅草で流しの料理人をしていた曽祖父から受け継いだレシピ、「フィリーチーズステーキ」(以上600円)は薄切り牛肉とチェダーチーズをサンドしたもの。他にも野菜やアクセサリなども売る。
「これを機会に非常時に強い缶詰メニューにも力を入れたい。木の屋石巻水産の『サラダサバ缶』を使った『サラダサバ缶のリエットサンド』、極洋の『さばのトマトパッツァ』を使った『トマトサバ&カニカマサンド』などはサバ缶人気もあって売れている。缶詰を使ったサンドイッチなので『缶ドイッチ』と呼んでいる」
自粛中の営業時間は13時~20時。月曜・火曜定休。マスク着用、アルコール除菌、咳(せき)エチケットなどを徹底し、こまめに換気しながらテークアウト販売を行う。