今年で創立129年となる東京農業大学は、世田谷と厚木、オホーツクの3つのキャンパスで行い、合わせて約12万人が訪れる学園祭「収穫祭」を新型コロナウイルスの影響で中止する。同大農友会ボクシング部も活動を制限されるなか、実習蜂蜜を地元の子ども食堂などへ配布する。
蜂蜜は「ミカン」「アカシア」「レンゲ」「日向夏」「リンゴ」「キハダ」「愛媛の百花蜜」の7種類で全て国内産。「ミカン」は和歌山、「アカシア」は北海道、「レンゲ」は福岡など全国の蜂蜜が集まる。「愛媛の百花蜜」はクロガネモチやハゼノキ、烏(からす)サンショウなど、「キハダ」は北海道の蝦夷(えぞ)あざみ、菩提樹(ぼだいじゅ)など珍しい花々の蜜もある。
同部総監督の山本浩二さんは「コロナの影響で厳しい状況に置かれている人は多い。しかし、こんな時こそ元気が大切。少量だが地元の子ども食堂などに配りたい。蜂蜜はビタミン、ミネラル、アミノ酸が豊富で、病気療養中の人の栄養補給にも良く、減量中のボクサーのエネルギー源でもあり、良いと思う」と、経緯を話す。
今年で創部96年となる同部は、これまで7人のオリンピック出場者を輩出。全日本大学王座8度制覇、全日本選手権で40人近くの部員たちがチャンピオンとなった実績を誇る強豪チーム。出身者にはプロの世界チャンピオンもいる。
「現在は、感染対策を万全にしながらの活動で、試合や練習にかなりの制約が生じている。しかし、どんな厄災もいつかは終わる。スポーツを通じて未来を夢見る若者たちを全力で応援したい」とも。