東京農業大学(世田谷区桜丘1)大学院農学研究科の玄成秀(げん・せいしゅう)さんは1月21日、同大を舞台に描かれた人気漫画「もやしもん」と同大生が開発した純米大吟醸「農学原酒」がコラボしたプロジェクトを始めた。
玄さんは2020年2月、「Agnavi」を設立。日本の生産者とグローバルな消費者を直接つなぐ情報プラットフォームを立ち上げ、持ち運びや保存に優れた缶詰入りの日本酒をプロデュースするなど、業界の活性化に取り組んでいる。
今回はクラウドファンディング「CAMPFIRE」を利用して、「もやしもん」のイラストが描かれた缶に農大生が醸した「農学原酒」大吟醸を詰めた缶を製造する。
「新型コロナウイルスの影響で飲食店の売り上げが低迷し、イベントも中止になるなか、日本酒の消費量が減り、多くの酒造メーカーは厳しい状況下にある。昨年、リサイクル可能で環境に優しく、日本酒の大敵である紫外線を完全にカットでき、たるのままのような新鮮な状態で消費者に届けることができる180ミリリットルの缶入り日本酒の普及活動『Ichi-Go-Can(いちごうかん)』を始めたが、いつか日本中の農学生のバイブルである『もやしもん』とコラボしたいと考えていた。今回、作者の石川雅之先生と講談社にコラボをお願いしたところ協力いただることになり、クラウドファンディングを行うことになった」と経緯を話す。
「農学原酒」の製造には、農大と縁の深い松岡醸造(埼玉県比企郡小川町)が全面的に協力。製造過程で割水(仕込み水)による加水調整をしていない原酒のため、濃厚な味が特徴。ソーダで割るなどの新しい飲み方も提案する。
「今回のプロジェクトを通じて、今まで日本酒を飲まなかった人、飲んでみたかったけど手が出せなかった人が手に取るきっかけになればうれしい。日本酒のイメージを覆す飲みきりサイズ、おしゃれ、持ち運び便利を実現した1合缶で伝統的な日本酒に新たな風を吹き込みたい」とも。
クラウドファンディングは2月25日までを予定。