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経堂の陶芸家がサバのワインクーラー制作 震災から10年、石巻の缶詰会社に寄贈

陶芸家の李康則さんとサバをモチーフにしたワインクーラー

陶芸家の李康則さんとサバをモチーフにしたワインクーラー

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 経堂の陶芸教室「まだん陶房」(世田谷区宮坂3、TEL 03-3428-8044)を主宰する陶芸家の李康則さんが、宮城県石巻市の水産加工会社「木の屋石巻水産」に寄贈するオリジナルのワインクーラーを制作した。

震災直後に李さんが描いた義援金交換の告知看板と当時の缶詰

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 2011(平成23)年3月、東日本大震災による津波で石巻港の沿岸にあった同社が壊滅的な被害を受けた時、工場跡地に埋まった泥まみれの缶詰を集めて経堂に運び、洗って義援金と交換する復興支援活動が始まった。李さんは、缶詰を洗う場所として同教室を提供。絵筆を取って缶詰の由来を伝える看板を作り、洗った缶詰と義援金を交換する応援も行った。

 李さんは「早いもので震災から10年。あのころは、とにかく何かできないかと必死だったが、震災前から仲の良かった木の屋さんを応援できて本当に良かった。金華サバ缶で作るチゲ鍋は実においしく、経堂の皆さん誰もがうまいと喜んだ。工場が復活してからは、消費税などが上がる中、木の屋さんのおいしい缶詰やクジラ、サバなどの食材を使う飲食店はどこも助けられた。コロナが始まってからも世話になったので、お礼をしたいと思い、サバがモチーフのワインクーラーを作った」と創作の経緯を話す。

 教室では5年前、陶芸体験をシングル家庭の子どもたちに教え、食事やフードシェアを行う「経堂こども文化食堂」を開始。同社から贈られた缶詰は、多くの家庭に配られてきた。「人がつながり助け合うのは素晴らしいこと。これからも石巻と経堂の友情を大切にしたい」とも。

 教室の開講時間は10時~18時。月曜・火曜定休。感染対策を取りながら密を避けて運営している。

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