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喜多見・次大夫堀公園民家園で十五夜と十三夜の行事 月をめで秋の収穫に感謝

十五夜の供え物。団子や芋、梨、ススキなどを縁側に供える

十五夜の供え物。団子や芋、梨、ススキなどを縁側に供える

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 喜多見の「次大夫堀(じだゆうぼり)公園民家園」(世田谷区喜多見5、TEL 03-3417-8492)で9月20日まで、園内に移築・復原された養蚕農家・旧加藤家はじめ3棟の旧家の縁側に昔ながらの十五夜の供え物の飾り展示が行われた。十三夜の供え物の飾り展示は10月10日~17日。

喜多見の養蚕農家だった旧加藤家

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 同展示のような団子や農作物を供える月見の風習は、旧暦8月15日の十五夜、旧暦9月13日の十三夜に日本各地で見られたもの。

 秋の月見はもともと中国から伝わったもので、今でも大切にされている行事だが、かつてはそこにもう少し切実な思いがあったとされる。古くから月の満ち欠けは農作業の目安とされており、特に満月を大切にする信仰があった。米や芋などの豊作を願い、収穫に感謝する特別な日として、縁側にお供え物をして家族で祝ったという。

 十五夜と十三夜を共に祝うのは「片見月(かたみづき)」は良くないという理由から。十五夜(今年は9月21日)は里芋の収穫時期に当たるので「芋名月」、十三夜(10月18日)の頃は栗が取れるので「栗名月」とも呼ばれた。

 供え物は月見団子、豆腐、芋、栗、梨、柿、神酒、灯明、それにススキやオミナエシなどの秋の草花。十五夜には5個、15個、十三夜には3個、13個というように、供物の数が少しだけ変わる。月見団子ではなく、ぼた餅やそばを供える家もあったという。

 月見団子の元になるのは、多くはうるち米をひいた上新粉。かつての農村では米に麦を混ぜた麦飯を食べるのが普通で、正月や節句や結婚式などを除けば真っ白のご飯や団子を口にできることはなかった。それを食べることができるというだけでも、十五夜、十三夜が特別な日だったことが分かる。

 周囲には小さいながらも田畑があり、公園内には江戸時代初期に掘られた農業用水路(次大夫堀)も復元されている。

 開園時間は9時30分~16時30分。入園無料。月曜と年末・年始休園。

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