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経堂のパン店が石巻の缶詰使い「缶詰サンド」 北九州・旦過市場火災復興応援で

「さばの味噌レモンさっぱりサンド」(650円)

「さばの味噌レモンさっぱりサンド」(650円)

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 経堂城山通りの焼きたてパン店「onka(オンカ)」(世田谷区経堂5、TEL 03-6322-1127)が5月11日、宮城県石巻市の水産加工会社「木の屋石巻水産」の缶詰を使ったコラボサンドイッチの販売を始めた。

 「くじらハンバーグとグリル野菜のサンド」(650円)

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 今回の缶詰は「木の屋さば味噌(みそ)煮」「木の屋いわし味噌煮」、新製品「くじらカレーバーグ」の3種類。4月19日に発生した北九州市小倉北区の旦過市場で発生した火災の復興応援のため、同社が300缶を経堂駅北口のイベントカフェ「さばのゆ」に無償でチャリティー用として提供したもの。缶詰は3缶1,000円で販売し、その売り上げは全額義援金となる。

 木の屋石巻水産は、2011(平成23)年3月11日の東日本大震災による津波で壊滅的な被害を受けた後、経堂の個人飲食店主たちが始めた、工場跡地に埋まった泥まみれの缶詰を洗って義援金と交換する支援活動がきっかけで復興。2013(平成25)年に工場を再建。2015(平成27)年に震災前の売り上げを復活。地元出身者の雇用を積極的に続けている。北九州市と同社のつながりは、震災直後、洗った缶詰を北九州の企業や飲食店がケース単位で積極的に購入したことで始まった。工場再建後も新しく作られた缶詰を販売する落語会や缶詰を使った手巻きずしパーティーなどのイベントが継続して行われ、関係性が深まった。

 店主の下山亜紀子さんは「以前、お台場で開かれた復興支援イベント『みちのくフェス』に誘われて参加したのをきっかけに木の屋さんを知った。その後、被災地にお金を回すため缶詰を取り寄せ、サバサンドを出していた時期がある。コロナになってから、毎月11日に木の屋さんのサバ缶を使ってサンドイッチを作っていたが、今月どうしようかと考えていたところ、木の屋さんが北九州の旦過市場火災の応援でチャリティー缶を出すと聞いたので、早速購入して、サンドイッチを作ることにした」と経緯を話す。

 「くじらハンバーグとグリル野菜のサンド」「さばの味噌レモンさっぱりサンド」「いわしの味噌バジルチーズサンド」(以上650円)を日替わりで提供する。

 「くじらのハンバーグは、ソースがたっぷり入っていたので、そのままいったんソースごとオーブンで温め、上にマッシュルームとプチトマト、チーズをのせてみた。高タンパクで低カロリーなクジラのヘルシーなハンバーグ。缶詰のソースにしっかりこくがあったのをうまく生かせた」

 同店は缶サンドの売り上げ全額を義援金として北九州に送る。

 「さば味噌缶、いわし味噌缶は、宮城県産の自然な作りの無添加みそがとてもおいしい。こちらも野菜と合わせて、魅力的なサンドにしたい。思いを寄せることしかできないが、これからも被災地との関わりの中で何かできることを考えていきたい」とも。

 北九州応援の缶詰サンドの販売は今月15日まで。

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