毎年春と秋に開催されている「経堂五丁目特別保護区」(世田谷区経堂5)の一般開放が、今年も11月26日・27日、12月3日・4日の4日間、行われる。
世田谷区には4カ所の特別保護区があり、「経堂五丁目特別保護区」もその一つ。一般財団法人世田谷トラストまちづくり(以下、世田谷トラスト)と地域のボランティアが協力して保護区の自然環境を保全している。
広さは1817平方メートル。通りを挟んだ向かいにある長島大榎公園と一体となり、住宅が立ち並ぶ地域にある緑地。区内には珍しい湧水による池があるのも大きな特徴。
池の周囲には、常緑樹のアカマツやタラヨウ、落葉樹のウメやモミジの大木がそびえ、秋のこの時季は、ムサシアブミ、ナンテンなどが赤い小さな実を付ける。木の枝ではヒヨドリやコゲラがさえずり、ジョロウグモが大きな網を張る。
昨年の秋の公開日の入場者は、晴天の日は1日500人ほど。高齢者から子どもまで幅広い人たちが世田谷の自然を楽しんだ。
池を囲む土地そのものは個人住宅の庭園だが、世田谷区が特別保護区に指定し、一般開放と樹木剪定(せんてい)などの管理の支援を世田谷トラストに委託している。
世田谷トラストの関係者は、見どころについて、「もちろん秋ならではの風景。それとともに、ボランティアの皆さんの日々の積み重ねによって自然が保たれているところも見てほしい」と話す。下枝を落としたり、伸び過ぎた雑草を抜いたりすることで地面への日当たりが良くなり、それによって虫などの生き物が増え、小さな草花が生える。人々の力があってこそ、自然の美しさが生きるという。
開放日当日は園内にボランティアが常駐。草花などについての解説も行う。同園のボランティアは常時募集している。
開放時間は10時~16時。予約不要。駐輪場は併設していない。経堂駅から徒歩10分ほど。