コラムニスト石原壮一郎さんの新刊「失礼な一言」(新潮新書)の出版記念トークイベントが5月17日、経堂駅北口の「さばのゆ」(世田谷区経堂2)で行われた。
同書は、「大人養成講座」「大人力検定」など100 冊以上の著書がある石原さんが、2021年から2022年にかけて「週刊新潮」に連載したコラム「令和の失礼研究所 #これってアウト?」を一冊にまとめたもの。会社や家庭、SNSやメール、冠婚葬祭や社交辞令、あらゆる社会生活の日常や非日常のシチュエーションに潜む「失礼」をテーマに「会社の飲み会における無礼」「LINEで評判を落とす方法」「さわらぬ学歴に祟(たた)りなし!?」「結婚の話題という危険地帯」「昭和の頃はOKだった狼藉(ろうぜき)」など40のコラムが収録されている。
石原さんは「時代の変化に伴って『失礼』の常識も変化した。しかも、他人の失言に不寛容になったり、他人の視線に敏感になったりという傾向も強まっている。心地いい人間関係を目指すため、改めて『失礼』の正体と向き合う必要があると考えた」と執筆の経緯を話す。
ゲストには、同書に収録されている「ハーフを悩ます失礼の洪水」「ハーフの本音とマスク生活」の取材に協力した、日独ハーフのエッセイストであるサンドラ・へフェリンさんを迎え、サンドラさんの実体験を交えた失礼な出来事についてのトークが盛り上がった。
「誰しも『失礼な人』にはなりたくはない。でも、よかれと思って言ったことが相手を不快にさせたり、無意識に偏見を持ったりしまうことがある。サンドラさんの体験談を聞いて、自分の中に潜んでいた『失礼の種』に改めて気づいた方も多かったのでは。一方、人間関係には失礼が付きもの。失礼に振り回されすぎないことも大切かもしれない。この本は、失礼な言葉を言わないようにしたい方はもちろん、他人の言葉にダメージを受けやすい人にも読んでほしい」とも。
会場には20人が集まり、トーク終了後には石原さんとサンドラさんの著書販売とサイン会も行われた。