食べる 学ぶ・知る

経堂のバーが「雨水ソーダ」を使ったカクテル 福井工業大とのコラボで

「あまみずソーダ」でハイボールをつくる城間さん

「あまみずソーダ」でハイボールをつくる城間さん

  • 36

  •  

 経堂駅北口の「BAR月の花」(世田谷区経堂2、TEL 03-5799-4977)が6月12日、雨水を原料とする炭酸水「Amamizu Soda(あまみずソーダ)」を使ったカクテルやハイボールの提供を始めた。

「あまみずソーダ」を使ったハイボール

[広告]

 店主の城間隆志さんは大阪府岸和田市出身。地元の老舗バーで修業を始め、上京後、銀座と青山で15年の経験を積んだ後、経堂に店を構えた。200種類以上の洋酒をそろえるオーセンティックなサービスが基本で、ハイボールなど炭酸ソーダを使ったメニューも多い。

 城間さんは「経堂のお客さまの縁で、雨水を使った炭酸水を作る福井工業大学の笠井利浩教授が店に来てくれた。サンプルで頂いた『あまみずソーダ』は、超軟水ならではのクセがほとんどない水のため、それぞれのウイスキーの個性をより感じられると分かった。お客さまに『あまみずソーダ』を使ったハイボールなどを出すと反応が良く、リピートするケースもあり、面白いと思ってメニュー化することにした」と経緯を話す。

 同ソーダを企画した笠井利浩さんは、数年前、ライフワークとなる研究テーマを探す中で水の重要さと雨水の可能性に気づき、雨水を採取して有効利用する研究と実用化に取り組んだ。

 笠井さんは「清浄な雨水を効率よく溜める技術と設備があらゆる場所にあれば、トイレや風呂などの生活用水を補うことができ、災害時に深刻な状況となることが多い、衛生面の問題解決につながる。将来的な水不足の問題を考えると、全ての淡水の源である雨水を有効利用できると、そちらも大きなメリットがある」と話す。

 同ソーダの原料となる雨水の採取は同大構内で行い、それを地元のドリンクメーカーがボトル詰めしている。雨水のろ過や浄水のプロセスは笠井さんの研究室が研究・開発したもので、国が定めた49項目の水質基準を満たしたものとなっている。

 城間さんは「世の中には雨をネガティブに考える傾向もありそうだが、雨は、あらゆる生命を支えるものであり、音楽や映画、文学などにはロマンチックに描かれているものが多い。客足が遠くなりがちな梅雨は飲食業には厳しいが、その時季にあえて、雨水のソーダのハイボールを飲んで、雨を楽しいものに感じていただければ」とも。

 営業時間は17時~24時。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース