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映画「ヤジと民主主義」 公開前に経堂でトークイベント

単行本「ヤジと民主主義」を手に映画について語る出版社「ころから」の木瀬貴吉さん

単行本「ヤジと民主主義」を手に映画について語る出版社「ころから」の木瀬貴吉さん

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 昨年刊行された単行本「ヤジと民主主義」を元に製作された映画「ヤジと民主主義 劇場拡大版」が12月9日から公開されるのを前に、経堂駅北口のイベント酒場「さばのゆ」(世田谷区経堂2)で12月3日、トークイベントが開催された。

映画「ヤジと民主主義 劇場拡大版」のチラシ(左)と単行本(右)

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 同書は、北海道放送のドキュメンタリー番組「ヤジと民主主義~小さな自由が排除された先に~」(2020年4月26日放送)をユーチューブで視聴した一人出版社「ころから」(北区)の木瀬貴吉さんが、同番組を制作した北海道放送の担当者、山崎裕待さんと長沢祐さんに話を持ちかけて出版したもの。

 2019年7月15日に札幌市で起きた街頭立ち会い演説中にヤジを飛ばした市民に対する北海道警による聴衆強制排除問題を扱った番組中では伝えきれなかった情報や問題の背景、裁判の過程と結末、元北海道警幹部の取材記録などを収録している。

 木瀬さんは「初めて番組を見た時、たった数人のヤジですら何十人もの警官によって排除される姿に驚愕(きょうがく)した。一方、安倍さんを支持するプラカードを持った群衆は不問にされるなど、表現の内容によって北海道警が排除対象を選択していることも伝わってきたし、『おかしいことをおかしいと言う』シンプルで骨太なジャーナリズム本来の姿勢を感じて強く心が動かされた。書籍化することで、メディアのあるべき姿を体現する番組のことを、より深く世の中に伝えることができればと思った。幸い、問題と番組に対する関心が高まり、今年、TBSと北海道放送の製作による映画『ヤジと民主主義 劇場拡大版』が完成して、KADOKAWAが配給することになった。こちらも一人でも多くの人に見てほしい」と話す。

 「映画では、安倍元首相の銃撃事件にも触れ、民主主義の根幹となる表現の自由の大切さを感じさせられる。と同時に、小さな声を上げた若者の姿に勇気をもらえるので、一人でも多くの人に劇場に足を運んでほしい」とも。

  東京の「ポレポレ東中野」や札幌の「シアターキノ」などで12月9日から順次、全国ロードショー公開される。

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