
経堂すずらん通りのイタリアンレストラン「リゴレッティーノ」(世田谷区宮坂3、TEL 03-3439-1786)が現在、新メニュー「小豆島発酵生ハムと丹波篠山モルタデッラのニョッコフリットの盛り合わせ」(3,200円)を期間限定で提供している。
ニョッコフリットは薄い揚げパンで、生ハムやモルタデッラをのせて食べる。8月9日に同店で開催されたエミリア=ロマーニャ州の料理を紹介するイベント「エミリア街道がつなぐ美食旅」で好評だったという一品。9月はアラカルトディナーで提供し、10月・11月もディナーコースに追加して注文できるという。
同イベントで使った岐阜の多田昌豊(まさとよ)さんによる生ハムは、各都道府県でそれぞれ1店のレストランにしか卸さないという方針のため、代替品を探す必要があり、店主の今村美香さんが2年前に夫婦で旅行した小豆島で出会った、一人でしょうゆのこうじを使ってうまみを生かしたハムを製造する「小豆島発酵紅腿」(香川県)の三好昭浩さんのことを思い出し、発酵ハムを取り寄せたところ非常においしかったため採用した。モルタデッラとの盛り合わせにすることで「甘みのあるモルタデッラと塩気のある生ハムとの対比が楽しめる」という。
現在、イタリアでの豚コレラの影響でイタリア産ハムの輸入が困難となり、多くのレストランがスペイン産生ハムやアメリカで生産されるイタリア系ハムを代替品として使っている。この状況が、国産生ハム生産者が注目されるきっかけになっているという。今村さんは多田さんのハムを食べた時、「日本の職人の繊細な技術が日本人の味覚に合うハムを生み出す可能性を強く感じた」と振り返る。
合わせるワインは、伝統的にはエミリア=ロマーニャ州の微発泡赤ワイン「ランブルスコ」。その他、北海道でフレッシュなナイアガラを使った泡のある日本のワインや、エミリア地方の少量生産の微発泡濁り白ワインも提案する。
店名の「リゴレッティーノ」の由来は、先代シェフの今村裕一さんが、師ジャンニ・ダマートさんから「リゴレット・ダ・ジジ(イタリア人から今村さんが呼ばれていた愛称)にしては」と提案されたが、偉大な師の店名をそのまま付けることに気が引け、「小さなリゴレット」を意味する「Rigolettino」と名付けた(正式名称は「Il Rigolettino da Gigi」)。
営業時間は、ランチ=12時~14時30分、ディナー=18時~21時30分。水曜と第1・3火曜定休。