経堂・農大通りの居酒屋「らかん茶屋」(世田谷区経堂1、TEL 03-3429-2230)が4月7日、「幕の内弁当」(800円~)のテークアウトを始めた。弁当の持ち帰りはランチタイムのみのサービスだが、営業終了時間を14時から15時に延長。17時30分からの夜営業では「おつまみセット」(1.680円)も用意する。
らかん茶屋の夜営業時にテークアウトできる「おつまみセット」(1.680円)
同店の「幕の内弁当」は25種類ある定番ランチメニューの一部で、「刺し身とメンチとサバ竜田揚げ」「刺し身と鳥の唐揚げ」(以上800円)、「刺し身とサバの塩焼き」(880円)、「刺し身と黒豚生姜焼き」(980円)の4種類を持ち帰りに対応する。
店主の加藤輝男さんは埼玉県出身。都心の飲食店での修業を経て、経堂で独立したのは40年前。地元の東京農業大学や趣味の釣り、東日本大震災の復興活動などの縁が広がり、全国の生産者から旬の食材が集まる。宮城県石巻市から直送されるブランドサバ「金華さば」を年間2トン使って10種類を超えるサバ料理を提供。その他、高知県室戸市、宿毛市、香川県三豊市など、全国の港とつながる。
加藤さんは「40 年間、この街や下北沢などの飲食業界を見てきたが、今回の新型コロナウイルスの影響は、バブル崩壊やリーマンショックの比ではないほど厳しい。飲食店はかなりの持久戦を強いられると思うが、サラリーマンの皆さんも在宅勤務でストレスがたまっていると聞く。刺し身盛り合わせ入りの『おつまみセット』は晩酌のアテにもピッタリ。好きなお酒とマリアージュして、いい気分になっていただければ」と、テークアウト導入の意気込みを語る。
鮮魚以外にも地方とのつながりは深く、フルーツトマトを送る高知県香南市の真嶋順一さんは東京農大の学生時代に同店でアルバイト。ショウガを納める同県いの町の水田かおりさんは同店の「海老と生姜のかき揚げ」を食べに訪れた。
「釣りや生産地ツアーで随分と全国を旅したが、日本の生産者はまじめでおいしいものを作っている。新型コロナウイルスの問題が大変だが、テークアウトを利用して、産地とのつながりを切らずに次の世代に伝えたい」とも。
営業時間は、ランチ=11時30分~15時、ディナー=17時30分~22時。