経堂西通りの醸造施設併設のビアバー「後藤醸造」(世田谷区経堂2、TEL 03-6751-0698)が6月17日、3月末から休止していた店内での飲食営業を再開した。
経堂の東京農業大学(桜丘1)を卒業、学内の邦楽サークルで知り合った後藤健朗さん、ゆきこさん夫婦が2016(平成28)年7月に開いた同店は、醸造場併設の立ち飲みビアバー。自家醸造のたる生は、定番の経堂エールや地方のかんきつ、ショウガとの自家製コラボビール、全国から仕入れたクラフトビールを1杯500円から提供してきた。さまざまなメディアにも取り上げられ、経堂エリア外の客も引き付けたが、新型コロナウイルスの影響は経営に深刻な影響を与えている。
後藤さんは「さまざまなリスクを考えて店内営業を休止してテークアウト販売などを行ってきたが、家賃や機材費の負担は重く、この状況が続くと厳しさが増す一方。同時に『前と同じように店で後藤さんのビールが飲みたい』というお客さまの声も多く、悩んだ末、対策を考えて、テークアウトにも対応しつつ店内営業をすることにした」と経緯を話す。
入り口での手指アルコール消毒や、多くの人が利用できるように飲食が済んだ人から席を空けるよう協力を呼び掛けながら営業する。
同店に通う50代の出版社勤務の男性会社員は「30代の夫婦が始めた店は貴重な存在。これから30年、40年と街を盛り上げてほしい。クラフトビールが500円からいろいろ飲めて、つまみも充実の店。経堂駅で降りてここで軽く飲み、別の店に流れる人も多いのを見ると、周囲の経済を活性化していると思う」と話し、「お二人のキャラも明るく、今後この辺りのハブ的な店の一つになっていくと感じているので、今は本当に大変だと思うが、ここは皆でマナーを守りながら飲んで食べて買って応援したい」とエールを送る。
店内営業再開に伴い、「世田谷の甘夏」など季節限定ビールの醸造も始める。
営業時間は13時~20時。月曜・火曜定休