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恒例「高知の酢みかん祭り」がオンラインで 経堂のイベント酒場から配信

薬膳・和食研究家の百田美知さん(左)と「千光士(せんこうじ)農園」の千光士尚史さん

薬膳・和食研究家の百田美知さん(左)と「千光士(せんこうじ)農園」の千光士尚史さん

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 高知県を中心に活動をする、薬膳・和食研究家の百田美知さんが12月5日、高知のかんきつの魅力と食文化を伝えるイベント「高知の酢みかん祭り」を昨年に引き続き経堂駅北口のイベント酒場「さばのゆ」(世田谷区経堂2)で行った。

百田美知さんから送られた高知の食文化に関する冊子

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 昨年は同店でリアル開催されたが、今年は新型コロナウイルスの影響を受け、感染対策を取りながら客数を4人以内に限定。店内の配信システムを利用するオンライン開催となり、百田さん自身もリモートでの参加となった。

 百田さんは「酢みかんとは、実を食べるのではなく、果汁の酸味や果皮の香りを楽しむ『香酸かんきつ類』のこと。高知では多品種がそろい、季節や食材による使い分けをしたり、かんきつ果汁を『酢』と呼び、すし酢として使ったりする独特の文化がある。もっと高知の食文化を全国に発信したいと思い、生産者から経堂の飲食店5店舗にユズ、ハナユ、直七、土佐ベルガモット、青切り小夏、レモン、ライムなどの『酢みかん』と柚子酢(果汁)を送っていただき、ユズ酢(果汁)などを使う料理、ドリンクメニューに取り組んでいただいた」と話す。

 同イベントには、同県安芸市などでユズ、土佐文旦、ポンカンなどを栽培する「千光士(せんこうじ)農園」の千光士尚史さんも参加。平家落人と関係があるといわれるユズの歴史、生産量日本一の高知のユズの地域ごとの多様性、鋭いとげがあり危険や困難を伴う農作業の現場についての話などを農園の倉庫から作業をしながら中継した。通常、秋から冬にかけての繁忙期は、リアルイベントに参加できないが、リモートだから可能となった。千光士さんは「今年はコロナの影響もあり、ユズの値段が安くなっている。全国のスーパー店頭にもユズが昨年より割安価格で並んでいると思うので、ぜひ、鍋やお酒に搾るなど日々の食事に活用してほしい」と呼び掛けた。

 百田さんは、自身も携わった土佐の酢みかん文化に関する冊子類も届けた。

 「酢みかんは果汁を搾り残った皮を捨てると産業廃棄物扱いになる。しかし皮を削り香りを楽しんだり、砂糖漬けやジャムにしたりするだけでなく、器にも杯にもなる。種は天然のゲル化剤『ペクチン』が多く『とろみ』付けもでき、美容液にもなる。捨てることなく使いきることが環境にも優しい。新型コロナで気を遣うことが多い昨今、かんきつのビタミンパワーで元気に過ごしていきたい」とも。

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