京王線・下高井戸駅東口の下高井戸シネマ(世田谷区松原3、TEL 03-3328-1008)が3月6日、「優れたドキュメンタリーを観(み)る会vol.36」を始めた。
1999(平成11)年3月に始まり今年で22年目を迎え、これまで200本を超えるドキュメンタリー作品を上映してきた同イベントは、経堂の配給会社「ピカフィルム」(経堂2)代表の飯田光代さんがプロデュースを手掛ける。今年の上映作品は「れいわ一揆」(原一男監督)と「福島は語る 完全版」(土井俊邦監督)の2本。
飯田さんは「いろいろな社会の矛盾があらわになるコロナ禍、『れいわ一揆』は庶民の気持ちや怒りを受け止めてくれる作品。『福島は語る 完全版』は、いまだ復興が見えず、大変な思いで生きる人が多い福島の現状をさまざまな人の証言を集めた圧巻の作品。今回は5時間20分ある完全版。原発の現場に関わる人たちの生の声、廃校になる双葉中学校の最後の卒業式など、短縮版ではカットされた映像を収録している。貴重な機会なので、ぜひ見てほしい」と呼び掛ける。
「東日本大震災から10年になるが、被災地ではまだまだ苦しむ人が大勢いる。そして昨年からのコロナは世界中を厳しい状況に陥らせている。しかし、こんな時だからこそ、真実を追求し、夢と希望を与えてくれる映画が必要。映画館で見るとやはり感動が違うので、コロナに負けずに営業を続ける下高井戸シネマの存在はありがたい。映画の文化を次の世代に残すためにも頑張りたい」とも。
「れいわ一揆」は今月10日まで。上映は11時55分から。2部構成。途中休憩あり。上映後にゲストによるトークイベントを行う。「福島は語る 完全版」は11日・12日の11時55分から。3部構成。途中休憩あり。上映後、土井敏邦監督のビデオレターを流す。
同館は、館内でのマスク着用の徹底、整列時に間隔を空ける、ブランケットの貸し出し休止、消毒液の設置、大声でのおしゃべりの禁止、上映作品の入れ替えごとに換気の実施、発熱や咳(せき)など体調不良の人の入館禁止など、観客とスタッフの感染症予防対策を徹底して営業している。