毎年春と秋に行っている「経堂五丁目特別保護区」(世田谷区経堂5)の春の一般開放が今年も3月18日・19日、25日・26日、4月1日・2日の6日間、行われる。
世田谷区には4カ所の特別保護区があり、「経堂五丁目特別保護区」もその一つ。一般財団法人「世田谷トラストまちづくり」(以下、世田谷トラスト)と地域のボランティアが協力して同保護区の自然環境を保全している。広さは1817平方メートル。この地域には珍しい湧水による池があるのも大きな特徴。
この季節の見どころは、3種類の桜(カワヅザクラ、ソメイヨシノ、ジンダイアケボノ)と、世田谷名木百選にも選定されているモクレン。オタマジャクシ(アズマヒキガエルの幼生)も泳いでいる。この時季ならではの草花については、実際に特別保護区の維持に関わってきたボランティアが、園内に解説プレートを設置して解説も行う。
同トラストの担当者は「住宅街の真ん中にこのような自然が残されているのは、とても貴重。自然観察の楽しさもあるし、癒やしの空間でもある。ボランティアの皆さんによって保たれている豊かな自然をぜひ、一人でも多くの人に見ていただきたい」と、話す。
同日、「深沢八丁目無原罪特別保護区」(深沢8)でも一般開放が行われる。広さは3000平方メートル。湧水の池がある自然豊かな場所で、みずみずしい新緑の中から小鳥のさえずりも聞かれる。周辺の桜並木も見頃を迎えているかもしれない。2つの特別保護区は3キロほど離れているが、一日のうちに回ることもできる。
どちらも池を囲む土地そのものは個人所有の庭園だが、世田谷区が特別保護区に指定し、一般開放と樹木剪定(せんてい)などの管理の支援を世田谷トラストに委託している。
開放時間は10時~16時。いずれも入場料や事前予約は不要。近隣に駐車場はないため、徒歩または公共交通機関を利用。