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経堂こども文化食堂、全国の子ども食堂にフードシェア 落語会の売り上げ充てる

経堂こども文化食堂参加者に配布された食品など

経堂こども文化食堂参加者に配布された食品など

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 経堂の居酒屋常連客による寄付とボランティアが中心となって運営している「経堂こども文化食堂」が3月25日、全国の子ども食堂・無料塾へのフードシェアを行った。配送は宅配便を利用して、新潟市の「地球の子供食堂と宿題Cafe」や中野区の「上高田みんなの食堂」、その他、福岡県、広島県、大阪府などに、缶詰や柑橘、お湯を注ぐと食べられるアルファ化米、缶入りフルーツジュース、冷凍食品などが届けられた。

支援物資を紹介する中野区の「上高田みんなの食堂」のブログ記事

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 2016(平成28)年2月に始まり、現在7周年を迎える活動は、「ただ食べるだけでなく、地域のつながりを知ることと、文化体験も大切」という方針を掲げ、個人経営の飲食店や文化教室、商店街の施設などを利用して、落語や朗読などのライブ鑑賞、陶芸や書道などを体験する機会を提供してきた。

 2020年4月以降は、コロナ禍の影響により、密を避けるためリアルイベントの機会を減らし、宅配便により発送するフードシェア中心の活動になった。落語体験は、2017(平成29)年から、浅田飴が神田明神で開く春風亭昇太さんの独演会に経堂こども文化食堂のシングル家庭の親子を無料招待する活動を行ってきたが、2020年から同社の協力を得てオンライン配信の仕組みを導入。経堂駅北口のイベントカフェ「さばのゆ」をスタジオとして、課金制のオンライン配信落語会「浅田飴『声』でつながる演芸会」を実施。収益の一部でフードシェア活動を行うと同時に、全国の子ども食堂・無料塾の参加者には無料視聴に招待した。

 これまでの出演者は、林家彦いちさん、桂吉坊さん、春風亭一之輔さん、桂宮治さんなど人気者が並び、東京だけでなく、新潟、広島、福岡など、全国の子ども食堂に参加する小中学生が落語を楽しむようになった。

 参加するシングルマザーの一人は「コロナ禍になって学校や公園にも行けず、息苦しい日が続いた時にパソコンで試聴できる落語会は、子どもたちが笑顔になり、気分転換になった。毎回、オンライン配信の売り上げから食品やのど飴、図書カードなどを送っていただき、それも助かった。飲食店のアルバイトが減って困っていたシングルマザーの仲間は『本当にありがたい』と言っていた」と話す。

 経堂こども食堂は今後、文化体験イベントの幅を広げていく予定。

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