
豪徳寺の「旧尾崎テオドラ邸」(世田谷区豪徳寺2)で3月8日、開業1周年を記念した展覧会「不思議な少年 山下和美展」が始まった。
統括マネジャーの乙部彩佳さんは「この1年間、あっという間だった。これまではホテルやレストランで働いてきたので、ここでの出来事は全て新しい経験で、一つ一つ直面する課題をクリアしながら駆け抜けてきた」と振り返る。
「不思議な少年」は同館を運営する一般社団法人「旧尾崎邸保存プロジェクト」代表理事である漫画家・山下和美さんの作品。さまざまな漫画家の展示を行ってきた同館だが、山下さんの作品の展示を待ち望む声も多いという。同展では、少年の原画や単行本未収録原稿を展示し、会期中に山下さんのサイン会やトークショーも予定する。
同展の見どころについて、乙部さんは「山下さんの絵は他の漫画家と比べると大きな絵が多いので、実際に原画を見ることで迫力が伝わるはず」と話す。
館内にある喫茶室ではシェフパティシエの関海さんが同展用の特別メニューとして「ショコラピスターシュ~不思議な運命~」(1,100円)を用意した。少年があらゆる時代を超えて出会う人々の運命を、「フランボワーズとパッションフルーツの甘さと酸味、ショコラのほろ苦さ、ピスタチオのコクが織りなす味わい」で表現し、山下さんの試食も「おいしい」と一発合格したという。
旧尾崎テオドラ邸は1888(明治21)年に新築され、1933(昭和8)年に現在の場所に移築された歴史を持つ。2020年、取り壊しの危機にあった水色の洋館の保存活動を山下さんが中心となって始め、2024年3月1日に漫画ギャラリー・喫茶店・ショップの複合施設「旧尾崎テオドラ邸」としてオープンした。開業に至るまでの経緯は漫画「世田谷イチ古い洋館の家主になる」に詳しい。
開館時間は10時~18時(最終入館は17時30分)。木曜休館。チケットは、事前予約=1,000円、当日=1,500円。未就学児無料。4月8日まで。