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経堂の焼きとん酒場「きはち」が16周年 全国の生産者とつながりメニュー開発も

店主の八十島(やそしま)翔さん(左)、父・秀樹さん(中央)、母・恵理さん(右)

店主の八十島(やそしま)翔さん(左)、父・秀樹さん(中央)、母・恵理さん(右)

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 経堂駅北口にある家族経営の焼きとん酒場「きはち」(世田谷区経堂2、TEL 03-3429-8121)が11月5日で16周年を迎えた。

高知・水田農園の「かおり生姜(しょうが)」を使った「生姜肉巻き」串

 店主の八十島(やそしま)翔さんは祖師谷生まれ。幼少期から父・秀樹さんに連れられて経堂かいわいの飲食店になじみ、70年代から生協活動の運営に関わる母・恵理さんを通じて全国の良質な食材に親しんだ。21歳で両親と一緒に同店を立ち上げ、今年1月、個人事業の代表の役割を秀樹さんから受け継いだ。

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 翔さんは「責任ある立場になって間もなくコロナになり、2月から売り上げに大きな影響が出て、まだ戻ったとは言えない。しかし、緊急事態宣言の時期から今に到るまで、常連さんや地元の皆さんのおかげで持ちこたえている。感染防止のためにテーブルは2人まで、大声や咳(せき)エチケットなどに気をつけながらの営業を理解してくださり、ありがたい。ここ数カ月は、20~30代のカップルや女性の日本酒好きも増えている。地方の酒造メーカーも苦労が多いと聞くので、酒に合う串やつまみを用意して、よりおいしくお酒を飲んでほしい」と、コロナ禍を振り返りながらも意気込みを見せる。

 ドリンクは、生ビール中(550円)、ホッピー(480円)、レモンサワー、緑茶割り(以上450円)のほか、日本酒、焼酎、国産ワイン(以上500円台~)。ソフトドリンクは、温州みかんジュース、山形県寒河江市のりんごジュースなど地方産の100%ジュース(280円)を用意。20代のころから東京農大醸造学科出身者の友人が多かった翔さんがセレクトする日本酒は、長野県の大雪渓をはじめ十数種類。

 フードの基本は翔さんが担当する焼きとんの炭火串焼き。定番のシロ、ハツ、レバー、カシラなどは130円から提供。トマト豚バラ巻き、エノキ豚バラ巻き(以上210円)など、野菜を豚バラで巻いたメニュー、野菜串も季節ごとに変化。和牛や地鶏の仕入れも行い30種前後を用意する。

 秀樹さんはつまみ担当。刺し身、煮付け、南蛮漬けなど魚介類は地元の老舗鮮魚店「魚真」から仕入れる。沖縄産もずくなどヘルシーな野菜や海藻のメニューも。温かい〆メニューは鯨カレー缶を使ったカレーうどん、ホタテやカニカマを使った雑炊など。時にはスパイスカレーなどが登場することもある。

 全国各地の食材は山形県酒田市・平田牧場の「三元豚」、鶏は山口県秋川牧園「はりま」、ちくわは青森県青森市の「丸石沼田商店」、青森県田子町の「みやむー」のニンニク、ショウガは高知県いの町「水田農園」の「かおり生姜(しょうが)」、柑橘は広島や高知から、キノコは長野県中野市から、野菜も高知県四万十町のピーマンや足立区産の江戸野菜・千住ネギなどを使い、全国の生産者とつながる。緑茶割に使われる有機栽培の茶葉は農大OBの常連の同級生が奈良の月ヶ瀬で営む「月ヶ瀬健康茶園」のもの。

 「収束には時間がかかると思うが、こんな時こそ家族経営ならではの緩やかな雰囲気でお客さまに和んでほしい」とも。

 営業時間は18時~24時(日曜は16時~22時)。火曜と祝日の月曜は定休。マスク着用、アルコール除菌、換気などを徹底して営業している。