フォトジャーナリストの木村聡さんが手掛けた「米旅・麺旅のベトナム」(弦書房)の出版記念イベントが10月11日、経堂駅北口の「さばのゆ」(世田谷区経堂2)で行われた。
新聞社の写真記者を経てフリーランスとなり、1990年代から国内外の食の現場とそこに生きる人を追い続けてきた木村さんは、「ベトナムの食えない面々」(めこん)や「メコンデルタの旅芸人」(コモンズ)などの著作を持つ。
新刊は30年通い続けたベトナムの米食についてまとめたもの。中国とラオス国境沿いの北部山岳地帯から南部の島まで、ベトナム全土で出会った人々が米を食べる様子と80種を超える米麺メニューの写真と記事を収めている。
イベント冒頭、木村さんは「米離れや減反が叫ばれて久しいが、米食文化に関して日本はベトナムに学ぶことが多い。炊いた米の食べ方も多様だが、麺やライスペーパーなど加工のバリエーションも豊富で、とにかくうまい。そして大切なのは、ベトナム人は祖先から受け継いだ米を敬いながら、楽しみ食べ続けていること」と話した。
トーク終了後、四角いライスペーパーを麺のように細切りにして野菜やヌクマム、レモン果汁などとあえた現地の即席料理を披露。食べた20代の参加者からは「ベトナムの人たちは、米を日本よりも自由な発想でおいしく楽しんでいる気がする」という声が聞かれた。