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経堂で缶詰博士・黒川勇人さんの新刊イベント 著者初のエッセー集 

新刊「缶詰だよ人生は」を手にする黒川勇人さん

新刊「缶詰だよ人生は」を手にする黒川勇人さん

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 缶詰博士としてテレビやイベントに出演する黒川勇人さんが9月1日、経堂駅北口の「さばのゆ」(世田谷区経堂2)で「缶詰だよ人生は」(本の泉社)の新刊トークイベントを行った。

缶詰博士・黒川さんとイベントに参加した皆さん

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 同書は、「物心ついた時から缶詰が身近にあった」という1966(昭41)年生まれの黒川さんの幼少期から思春期、成人後、缶詰博士となってからの人との交友や、缶詰にまつわるエピソードなどを軽妙な筆致で描いた初のエッセー集。仙台で過ごした少年時代の森の中の秘密基地で食べたニューコンビーフ缶、共働きで帰宅の遅い両親に代わって、1970年代の世界的人気海外番組「世界の料理ショー」(カナダ放送協会)の影響を受けて妹のために作ったさんま蒲焼缶の竜田揚げ、ポルトガルやモルディブなど、缶詰との出会いを求めて訪れた異国の旅、缶詰の縁で会うことができたさまざまな人などについてのエッセーを収める。

 黒川さんは「高校生のころ、椎名誠さんに憧れてエッセイストになりたいと思っていた。成人後は、会社員やフリーライターになったが、『缶詰博士』となって本を出すようになり、今ようやくエッセー本を出せるようになり感慨深い。振り返ると、缶詰と関わったことで本当にいろいろな人や土地と深くつながるようになり、今回の本にも書かせてもらった。そんな回り道も自分らしいと思うし、缶詰の縁で仕事や飲みをご一緒するようになった春風亭昇太師匠に帯コメントをもらったのも、まさに缶無量」と話す。

 イベントは、前半が黒川さんのトークショー、後半が缶詰料理のプレートをつまみに飲む懇親会で構成。キョクヨー、高木商店、ホテイフーズなどの缶詰メーカー社員、一般の缶詰ファンが参加したほか、本の販売とサイン会も行った。

 「懇親会の会話でも盛り上がったが、缶詰は手軽に使えておいしいだけでなく、イノベーションに満ちた食材。旬の繊細な味わいを閉じ込める食材としてのレベルが高く、災害時にも役立ち、未来の持続可能な社会環境づくりにもフィットした新商品も続々登場している。閉塞(へいそく)感に満ちた社会だが、缶詰を開けて食べることが未来の扉を開けることにもつながる。この本をきっかけに缶詰に興味を持つ人が増えてほしい」とも。

 定価は1,300円。

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