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東北復興を支えたサバ缶つまみ 経堂「きはち」の名物メニューが9年目

「きはち」の定番メニュー「サバ缶と野菜のカレー酢みそ和え」

「きはち」の定番メニュー「サバ缶と野菜のカレー酢みそ和え」

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 経堂駅北口にある家族経営の焼きとん酒場「きはち」(世田谷区経堂2、TEL 03-3429-8121)の定番メニュー「サバ缶と野菜のカレー酢みそ和え」が登場して7月で9年目を迎えた。

八十島さん一家。左から息子・翔さん、店主・秀樹さん、妻・恵理さん

  宮城県石巻市にある木の屋石巻水産の金華サバの水煮缶を使った同メニューは2010年7月、同社の営業担当社員が同店を訪れた際、店主の八十島(やそしま)秀樹さんに缶詰のサンプルを手渡したことがきっかけで始まった。

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 「試食した時は驚いた。刺し身でも食べられる鮮度のまま詰められたサバ缶で、しかも脂がのった秋冬の金華サバ。野菜とあえて、ガツ刺しやセンマイ刺し用の自家製酢みそを添えたら、おいしくて健康的なメニューになった」と八十島さんは開発当時を振り返る。

 2011年3月、東日本大震災による津波で石巻港の沿岸にあった同社が壊滅的な被害を受けた時、工場跡地に埋まった泥まみれの缶詰を集めて経堂に運び、洗って売る復興支援活動が始まった。八十島さん一家も初日から缶詰洗いの作業に参加した。

 「もうあの味が食べられなくなると思っていたので、泥まみれでも缶詰が届いた時はうれしかった。洗ったサバ缶を買い取って震災前と同じようにメニューに加えたら、食べて応援したいという人がたくさんやって来て胸が熱くなった。その頃のお客さまの中には、今も通ってくれる人が結構いる」

 2013年に木の屋石巻水産の工場が再建され、2015年に震災前の売り上げが復活した後も、サバ缶の縁は続いている。

 「昨年の夏は、妻と息子夫婦、孫と一家全員で石巻に行き、工場見学もさせてもらった。孫もサバ缶が大好きなので、これからも長く付き合っていきたい」とも。

 営業時間は18時~24時(日曜は16時~22時)。火曜と祝日の月曜が定休。

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