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経堂のアトリエで上映イベント 終了後には哲学対話も

作品2「変奏」の一場面

作品2「変奏」の一場面

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 経堂の鎮守の森「天祖神社」に隣接する「経堂アトリエ」(世田谷区経堂4、TEL 03-4285-1073)で5月28日、アートプロジェクト「東京で(国)境をこえる」で製作された2本の映画の上映会を行う。

イベントのチラシ

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 2021年7月から12月にかけて東京都、アーツカウンシル東京、一般社団法人 shelf の3者が共催した同プロジェクトでは、この映画制作のプロジェクトを「ショットムービー」と名付けている。この言葉は、ショット(shot)とムービー(movie)を組み合わせた造語。製作の代表は、「単騎、千里を走る」(チャン・イーモウ監督、高倉健主演)にも出演した中国出身の俳優、ジャン・ウェンさんが務めた。

 プロデューサーの長谷川祐輔さんは「ショットムービーとは聞きなれない言葉の組み合わせかもしれないが、この造語には映画における物語とそれらの構成要素──俳優の振る舞い、表情、演出や撮影の偶然性など──の関係性について考えるという意図が込められている。このプロジェクトを貫いている主題の一つは「距離」。これは作品の主題であると同時に、撮影の条件や参加者同士の現実の人間関係にも響いている。例えば、作品1『八月対談録』の製作に当たっては、俳優と制作者は一度も直接会わず、全て、zoomや自撮り、SNSなどの遠隔技術を使って撮影された。続いて製作された作品2『変奏』は全て対面で撮影されたもの。作品1から作品2への移行において、物語的な変化のみならず、実際に会うことそのものによって生じる質やリアリティーが見出された。2作品を連続して見ることで、そうした変化を感じていただければ」と話す。

「人と人が知り合う中で親密さが立ち現れるときの危うさ、もろさ、それでも少しの希望を抱くこと。この上映会が、そんなことを考えるきっかけになれば。上映後には、メンバーによるトークイベントや、来場者との意見交換の場として哲学対話を行う。ぜひ参加いただければ」とも。

 上映開始は15時。無料。定員8人。6月25日に第2回を予定している。

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