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経堂の棋士と編集者の本が将棋ペンクラブ優秀賞に 地元の酒場が縁で実現

経堂在住の棋士、高野秀行六段(左)と編集者で著述家の岡部敬史さん(右)

経堂在住の棋士、高野秀行六段(左)と編集者で著述家の岡部敬史さん(右)

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 経堂在住の棋士、高野秀行六段と、同じく経堂在住の編集者で著述家の岡部敬史さん、イラストレーターのさくらはなさん3人の著書「将棋『初段になれるかな』大会議」(扶桑社)が7月17日、「第33回将棋ペンクラブ大賞」の技術部門で優秀賞を受賞した。

「将棋『初段になれるかな』大会議」

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 岡部さんは「この本は2019年12月に刊行された『将棋「初段になれるかな」会議』の続編で、従来の将棋戦術書とは異なり『初段なれない」級位者の目線で、私とさくらはなさんが分からないことをプロの高野先生に聞きまくる、異色の将棋戦術書として話題になった。私は、世の中のどんなジャンルでも初段級になると楽しみ方のレベルがグンと増すというのが持論で、こういう本があると将棋ファンの裾野が広がるのでは、と考え企画を練った」と経緯を話す。

 岡部さんが将棋関連の出版物に関わるきっかけは経堂の街だった。

 「息子が将棋を習いたいというので連れて行った『経堂こども将棋教室』を主宰していたのが高野先生だった。教室では先生とお話しする機会がなかったが、経堂駅北口の『さばのゆ』で飲んでいた折に『高野先生、よく来られますよ』と店主に教えてもらい、その後、店で会うことができ、それから酒席をご一緒させてもらうようになった。その流れで本を一緒に作るようになるなど、仲良くさせていただいている。経堂の街の酒場は人の縁がいろいろつながってありがたい」

 高野六段は「経堂はサードプレイスとしての酒場文化が豊かな街。大人の酒好きが集まるカウンターで、人と人との横のつながりが生まれる伝統がある。『経堂こども将棋教室』も酒場での出会いに後押しされて13年前に始まった。ありがたいこと。お酒を飲みながら話すと良いアイデアが出るというメリットもある。岡部さん、さくらさんとの打ち合わせは、経堂駅前の居酒屋「太陽堂」で行うことが多かったが、面白い発想に恵まれた。今は緊急事態宣言下で外飲みできないが、コロナが落ち着いたら、経堂の酒場からまた新しい本や文化が生まれると思う」と話す。

 価格は1,500円。全国の書店で扱う。

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