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城南信金経堂支店で地元福祉園の障がい者の作品展示 「国際障がい者週間」に

城南信用金庫経堂支店の外観。入口の右がショーウインドー。

城南信用金庫経堂支店の外観。入口の右がショーウインドー。

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 経堂農大通り商店街の城南信用金庫経堂支店(世田谷区経堂1)の商店街に面したショーウインドーで「国際障がい者デー」の12月3日、世田谷区立千歳台福祉園(千歳台3)に通う重度知的障がい者が制作した陶器や革製品、布製品、Tシャツなどの展示が始まった。

千歳台福祉園に通う障がい者が作った製品の展示

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 同記念日は、障がい者をより深く理解し、彼らが社会、経済、文化、あらゆる分野の活動に参加できる世の中であること、人間らしい生活を送る権利を主張できるようにと2006(平成18)年に国連で採択され、日本でも2014(平成26)年に発行された「障害者権利条約」に基づいている。12月3日から1週間が「国際障がい者週間」となる。

 経堂駅北口で配給会社「ピカフィルム」(経堂2)を運営し、30年前から障がい者の問題を含む社会派のドキュメンタリーの配給やプロデュースに関わってきた飯田光代さんは「千歳台福祉園は、2002(平成14)年の開設以来、約50人の重度知的障がい者の日中活動を支える施設として活動してきた。全員がきめ細かな支援を受け、機織りや刺しゅう、陶芸などの技術を習得し、制作に励んでいる。福祉園で彼らが作った作品はコロナ感染が拡がる前までは、バザーやふれあいフェスタ(福祉まつり)で多くの人の目に触れたり購入してもらえたりしたが、長引くコロナでその機会が閉ざされてしまった。4月には「かしのきネットショップ」を開設したが、多くの人に見てもらうにはまだ時間がかかる。このような状況の中、国際障がい者週間に何かできないかと、城南信用金庫経堂支店の乙益支店長に相談したところ、温かく受け止め快諾していただき、今回の展示が実現した」と経緯を話す。

 同支店は、以前からコロナ禍で客数と売り上げの減少に苦しむ近隣飲食店のテークアウトメニューの食品サンプルを自ら作ってウインドーに飾り、行内で店舗やメニューの詳細を紹介するなどの活動を行ってきた。

 「ほとんどの人々が身近な場所で重度障がいを持つ人々が働き、暮らしていることを知らないのは大変残念なこと。福祉は福祉のエリアの中でだけ存在するのではなく、社会全体が共有するのが自然なかたち。そのためには、このような機会に健常者の方々に地元の福祉園の活動を知って理解していただき、広がりが生まれることが大切だと思う。コロナがあったからこそ、このような貴重なつながりを持てたことを喜んでいる」とも。

 展示は今月10日まで。

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