経堂・本町通りの魚料理店「魚のタナ」(世田谷区経堂1)が10月3日、開業10周年を迎えた。
店主の下山晃さんは神戸で飲食の仕事をしていたが、上京を決意した際、「東京に出たら魚をやりたい」という思いを持っており、縁あって「魚真」(宮坂2)グループで修業を積むことになった。同グループの店舗で10年近く働いた後、同店本店から近い場所で開業した。
10年を振り返り、下山さんは「経堂は飲食店が多く、その中で生き残っていかなければという意識は常にある。やはり飽きられてはいけない」と話す。店の雰囲気づくりを特に大切にしており、カウンター材は開業時に木材市場まで足を運んで自ら選んだ。「あまり知られていないかも」と話す2階席はテーブル席中心で20席あり、カウンターのみの1階(14席)とは雰囲気が異なる。2階は貸し切り利用にも対応している。
看板メニューは季節の魚料理だが、ウナギも人気メニューの一つだという。コロナ禍で店舗営業ができない時に、テイクアウトやデリバリー用として始めたが、「『宮川』や『寿恵川(すえかわ)』といった経堂の老舗ウナギ店が閉店したタイミングだったこともあり始めた。今では定番になった」と下山さん。ほかにも「神戸の思い出の味」としてギョーザや明石焼きなど、「ここでしか食べられないもの」をそろえることにこだわっている。
スタッフは求人媒体をほぼ使わず、店に食べに来た常連や客として親しんでいた人に声をかけるスタイルを続けてきた。「この店を好きでいてくれる人に働いてほしい」という思いが根底にある。
現在は、立ち飲み店「たなや」(代田2)、沖縄料理店「ゆくりば」(船橋1)と合わせて3店舗を経営。一時閉店を経て9月25日に移転開業した「ゆくりば」は「自分も客としてよく通っていた店で、そこで自分も多くの人と出会った店」だという。「店を通してお客さま同士のいい出会いができればいい。それが一番好きなこと」とも。
営業時間は17時~24時(日曜・祝日14時~22時)。