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経堂で日本の植物学の父・牧野富太郎のイベント 伝統野菜の紹介と試食も

高知の伝統野菜。左から「焼畑のかぶ」、「山内家伝来大根」、「潮江(うしおえ)菜」、「下知(しもぢ)ねぎ 」、「葛西菜」「入河内(にゅうがうち)大根」。

高知の伝統野菜。左から「焼畑のかぶ」、「山内家伝来大根」、「潮江(うしおえ)菜」、「下知(しもぢ)ねぎ 」、「葛西菜」「入河内(にゅうがうち)大根」。

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 高知を中心に活動する薬膳・和食研究家の百田美知さんが1月30日、高知の伝統野菜と日本の植物学の父・牧野富太郎博士についてのイベントを経堂駅北口の「さばのゆ」(世田谷区経堂2)で行った。

高知の伝統野菜を使った料理

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 幼少期から植物に興味を持ち、独学で研究を続け、東京帝国大学で学位を得た同博士は、高知県高岡郡佐川町出身。多数の新種の発見と命名を行いながら50万点もの標本や観察記録、「牧野日本植物図鑑」など多数の著作を残した。

百田さんは「実は牧野博士は経堂に住んでいたことがあり、朝の散歩中に新種の菊を発見したと伝えられている。今も経堂の居酒屋などで話題になると聞き「牧野博士と縁のある場所で高知伝統野菜の存在を紹介したかった」と開催の経緯を話す。  

 「伝統野菜」とは、長い年月にわたりその土地で作り続けられその土地の気候風土に合った野菜のこと。独特の食文化や行事にも深く関わっている。調味料が貴重品であまり使えなかった時代の野菜は、それ自体の味が濃くうま味のあるものが多いが、大量生産や流通に向かないなどの理由で、戦後、消滅していった。しかし今、各地で復活の動きが起きている。

 今回、高知の生産者から提供された野菜は、村田農園の「山内家伝来大根」「焼畑のかぶ」「葛西菜」「下知(しもぢ)ねぎ 」、安芸市・入河内大根のこそう会の「入河内(にゅうがうち)大根」、潮江旬菜の「潮江(うしおえ)菜」など11種。村田農園の「南越(みなこし)かぶ 」の干しかぶや、「大道(おおどう)の昔高菜」の青菜(せいざい)漬け、DADA NUTS の「唐人豆」ナッツバターなどの加工品も並べられた。

 参加者の一人は「それぞれ味に力と個性があり驚いた。炊きたてのご飯に潮江菜のだしを掛け、青菜漬けなどをトッピングして食べた。加熱した潮江菜には独特のうま味があり、ご飯をお代わりした」と感想を語る。

 百田さんは、牧野富太郎を巡る物語を「NHKの朝の連続ドラマの題材に取り上げてほしい」と願う有志による活動「朝ドラ牧野の会」にも参加している。牧野博士の軌跡について調査研究は続く。

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