世田谷文学館(世田谷区南烏山1)で10月3日、「ヤマザキマリの世界 今この瞬間を生きる―Carpe Diem―」が開幕した。漫画・イラスト・油彩画・文筆と多岐にわたる創作活動を一堂に紹介する展覧会。
ヤマザキマリさんは1967(昭和42)年東京生まれ。14歳でのヨーロッパ一人旅、17歳でのイタリア留学を経て、エジプト・シリア・ポルトガル・アメリカなど各地で暮らしながら作品を生み出してきた。2010(平成22)年に発表した「テルマエ・ロマエ」は映画化もされた代表作で、マンガ大賞2010と第14回手塚治虫文化短編賞のダブル受賞を果たす。現在は「続テルマエ・ロマエ」を連載中で、イタリアと日本に拠点を置く。
本展では42歳での「テルマエ・ロマエ」ヒット以前の知られざるキャリアにも光を当てる。28歳でデビューしてから地道に描き続けた少女漫画時代の作品、雑誌への挿絵やエッセーなどを紹介。2年前に亡くなった母親が取っておいたというヤマザキさんが幼少期に描いた「チラシの裏」の絵を含む膨大な作品群も初公開される。
会場には仕事場の再現コーナーや愛読書の展示も設け、ヤマザキさん自身も「着ているポケットの中のくずまで全部出してみせたような展覧会」と語る。山下達郎さん・立川志の輔さんらの肖像油彩画に加え、今回初披露となる作品も展示する。
開幕セレモニーでヤマザキさんは「絵を好きだから描いてきたのではなくて、絵を描くしかなかった人生だと思っている。その結果として、このような展覧会という形で結実したのかな」と話した。孤独と自由の関係についても触れ、「自由を選択した人間がどういったものを排出していったかということを見てもらういい例にはなるのかな」とも。
開館時間は10時~18時(最終入館17時30分)。月曜休館。チケットは一般=1500円、65歳以上・大学・高校生=900円、中・小学生=450円。2027年2月7日まで。